院長コラム

利尿剤と、頻尿のお薬を一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?〜おしっこに関するお薬の違いについて

2026/02/26

内科で〝尿を出す・増やすお薬〟を処方されているのに、

泌尿器科で〝尿を抑えるお薬〟を処方された。

一緒に飲んでも大丈夫でしょうか?

内科などで、心不全、めまい、腎臓病の治療のために利尿剤を処方されている方が、“トイレが間に合わない”という症状で、泌尿器科を受診され、尿を抑えるお薬が処方されることがあります。

尿を出すお薬を服用しながら、尿を抑えるお薬を処方されたら、治療がちぐはぐになっているのではないか?と不安になり、「飲めない」とおっしゃる患者さんがいらっしゃいます。

その答えは、「安心して服用することができます」

その理由をご説明します。

脳・心臓・腎臓・膀胱の尿に関する働き

から出るホルモンは、 

尿の量を減らす働きがあります。少ない尿の中に“たくさん老廃物が出る・濃い”尿にするように、指令を出します。

心臓の働きが弱っている場合、体の中をめぐる血液の量が多すぎると、負担が大きくなります。それを感知して、“血液の水分を減らす=尿を増やす”という指令を出します。

腎臓では、血液から老廃物をろ過して、水分調節を行って尿を作ります。

血液の量や成分によって、作られる尿の濃さや量が変わります。

腎臓そのものの働きによっても、尿量や成分は変わります。

膀胱には、尿が少しずつ流れ込んできます。一定量溜まってくると、“トイレに行きたい感覚=尿意”を感じて排尿します。

容量には個人差があり、リラックスしているか緊張しているか、という心理的な要因でも、膀胱に溜められる尿量が変わります。

正常な膀胱では、溜まった尿が腎臓への逆流することを防ぐ機能がありますので、我慢しすぎなければ、腎臓に負担がかかる心配はありません。

尿は血管を通して排出されます

 

内科や耳鼻科で処方される「尿に関するお薬」とは?

・心臓が弱っているので、心不全を防ぐためにお薬で尿を増やすと言われた

・血圧のお薬で、尿量も増やすと言われている

・糖尿病や腎臓の働きを守るお薬で、尿量が増えると言われている

・めまいのお薬で、利尿剤が入っていると言われた

これらで処方されるお薬は、尿を出しやすくする『利尿剤』です。『体内の血管にある余分な水分を出す=尿として血管の外に出すことが目的』です。腎臓に直接働きかけ、尿をたくさん作る効果があります。

一方、泌尿器科で処方される尿漏れを抑えるお薬や頻尿のお薬は、

『膀胱に溜まった尿を漏れにくくすることが目的』です。膀胱に直接働きかけ、尿を抑える効果があります。

つまり、“出す”のに“抑える” × “出す”も“抑える”も

このように、

  • それぞれのお薬は、それぞれの場所で効果を発揮させるのが目的
  • 腎臓でお薬によって作られる尿の量と、膀胱でお薬によって尿を調整することは、それぞれの治療にほとんど関連しない

です。どちらの症状もしっかり治療するために、これらのお薬を同時に服用することは問題ありません。安心して服用していただけます。

*泌尿器科で処方されるお薬の一部に例外がありますので、ご不安のある方は主治医にお尋ねください。

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